お父さん、ドアが開きません!

新築分譲マンションを買って20年が経ちました。
先日、出勤でマンションから出た時に携帯電話が鳴りました。
嫁さんが「お父さん、ドアが開きません!」と電話の向こうで慌てていました。
「何なんだ」と思いながら部屋に戻ってみると、
部屋の玄関ドアがガチャガチャ音を立てています。
嫁さんが中で盛んにドアのサムターンを回しているのです。

通常これを回すとラッチ(かんぬき)が引っ込んでドアが開くのですが、
どういうわけかラッチが動かないため、施錠した状態でドアが開きません。
外から私が鍵で解錠しようとしてもやはり開きません。
「お父さんどうしよう。ドアが開かないと何にもできないわよ」、
と嫁さんは半泣きになっています。
どうするもこうするも、鍵屋さんに来て貰うしかありません。
マンション玄関の錠前って結構高価なはすです。
何千円ではなくて、何万円の値段だったと記憶しています。
「○万円か、いやぁ痛いなぁ」と思いながらも他に仕様がありません。

マンションの管理人さんに紹介して貰い、
鍵屋さんは連絡して30分ほどで来てくれました。
私の状況説明を聞きながら、
鍵屋のお兄さんが私の鍵を鍵穴に差し込んで何度かカチャカチャやると、
「ガチャッ」。アレ?
なんと数十秒でドアが開いたのです。
手品?特殊技術?要領?

鍵屋さんは平静な面持ちで「メンテナンスしておきます」と、
ドアから外した錠前に何やらスプレー(多分潤滑オイルです)を念入りに吹き付け、
取付完了までほんの10分の作業でした。
メンテナンス料と出張料合わせて6千円也。
万札が飛ぶのを覚悟していた私は、お兄さんの後ろ姿に最敬礼していました。

20年間でラッチの作動部が油切れで動きにくくなっていたようです。
時々ラッチにスプレー式の潤滑油をさして下さい、との事でした。
ただし鍵穴にはスプレーは厳禁だそうです。
鍵穴内部の機構は精密複雑なので、粘着質の油に埃が絡みつくと動かなくなり、
そうなるとやはり○万円の出費になるようです。
クワバラ、クワバラ。