“私たち家族は賃貸アパートに住んでいます。家の鍵は、大抵はどこでもそうだと思いますが、２つあります。夫がひとつ、私がひとつ、と普段は使っているため、特に不便なことはありませんでした。
ところが、ある朝のことでした。その日はたまたま慌ただしく、仕事に行く夫と、子供たちと出かける私が同時に家を出ようとしていました。私は荷物も多かったので、「鍵閉めておいて！」と夫にお願いしました。夫はごく自然に「わかったー」と鍵を閉めてきてくれました。そのまま夫はいつものように仕事に向かい、私と子供たちは買い物などに出かけました。
数時間後、一通り用事を済ませたわたしと子供たちは、家に帰ってきました。いつものように家の中に入ろうとした時に、はっと気づきました。家の鍵がないということに。そうです、朝家を出るタイミングが夫と重なり、夫が家の鍵を閉めてくれることになったので、私は普段自分が使っている家の鍵を家の中に置いてきてしまい、そのまま夫が鍵を閉め、出てきてしまったのです。つまり、家の鍵は、鍵のかかったドアの向こうにあるというわけで…私のうっかりミスにより、まさかの家に入れない、という事態に途方に暮れてしまいました。
幸い、夫の職場はなんとか徒歩で行ける場所だったので、夫が持っている鍵を取りに行くことにしました。なんとか鍵を受け取り、無事に家に入ることができましたが、もしも猛暑あるいは大雪の日だったり、夫が泊まりがけの出張に行ってしまっていたりしたら、大変なことになっていたな、と思いました。”