車引き取り当日の

“私は、「鍵を必ずここに置く」ということがなかなかできません。洗面台だったり脱衣所だったりリビングのソファだったり、無意識に置いてしまいます。
なのでいつもいれる鞄の外側のポケットに入れるようにしていました。

習慣を身に付けだした頃、それまで使っていた車を売り、新しい車を買いました。
車の鍵は少し前の鍵を差し込むタイプで、子供の写真がついた赤色のストラップをつけていました。
ディーラーに売却するので、鍵の引き渡しと納車を一緒にすることになりました。
しかし、その日の朝。
いれているはずの鍵がボケットにない。
「あ、また他所に置いたなー」と、鍵を探しましたが、見当たりません。
脱衣所、洗面台、リビングのソファ、寝室と普段置き忘れていた場所を周りましたが見当たりません。
そんな私を見ていた旦那も呆れながら探してくれましたが見当たりません。
旦那が私の鍵をいつも見つけてくれていたのですが、そんな旦那にも見つけられず、旦那は出勤。その後もずっと家中探していましたが、鍵は見つかりません。
もしかして、家の外で落としたかも?と近くの交番にも電話したのですが届いていませんでした。
そうこうしている内に引き渡しの時間が近づいてきて、いよいよ困った私は、最後の手段で近所の鍵業者に電話をしてお願いしました。
1時間くらいで来てくれた業者さんから料金の話になり1万5000円かかるそうで…痛い出費ですが仕方がない。
作業が始まり玄関で見ていた私は、ふとそばの傘立てに目をやると、傘と傘の間に見慣れた子供の写真が引っ掛かっています。
うわぁぁ…と叫びながら鍵を拾い、業者さんに説明。
業者さんもえぇぇぇ…と二人で鍵を見つめて暫し呆然としていました。
とりあえず鍵はあったので作業は中止になりましたが、業者さんが申し訳なさそうに「代金なんですが…」と言われて、こちらも恥ずかしくて正規の代金を支払いました。

鍵のトラブルはこれがはじめてでしたが、これ以降鍵を置く場所を玄関に作り、絶対他の場所には置かないようにしています。
あと、代金安くならなかったかな…相談したらよかったな、と時々思ってしまいます。”